プロアスリートの体調管理術とは

歴史・経緯

 

1.プロアスリートの体調管理意識の高まりは分子矯正医学から

「普通に人体に存在して生命活動の為に必要な物質の体内濃度を変動させることにより、良い健康状態を維持し、疾患を治すもの」として2回ノーベル賞を受賞。

20世紀最大の科学者の一人、アメリカのライナス・カール・ポーリング博士は、1968年「分子矯正医学」という言葉を作ります。

分子矯正医学の祖は1939年にペラグラ(代謝内分泌疾患)に、ビタミンB3を0.5~1g投与した症例を報告している。

これがもっとも古い分子矯正医学の文献ではないかと捉えられています。

 

一方、イギリスのハンフリー・オズモンド博士は、1952年に最初に「分子矯正精神医学」を始めました。

ビタミンB3を一日量3gと偽薬を、急性の分裂病患者30人に二重盲検法で投与。

さらに、当時の標準治療法も行い1年後に比較したところ、偽薬グループの35%、ビタミンB3グループの70%に症状の改善がありました。

「ある栄養を補えば特定の不調が解消する」という日本での栄養と健康の概念認識と、分子矯正医学は異なる考え方をします。

「身体は複合的な酵素とホルモン分泌により代謝が行われている。

その為には栄養素を吸収活用する為にもビタミン、ミネラルは複合的一定量以上を摂取することで生理作用から薬理作用に達する」という考えであり、この不調の対処法としての食事が「薬膳」になります。

 

このような分子矯正医学を基に、スポーツ栄養学の先進国アメリカではプロスポーツ選手の栄養面からの体調管理の歴史が長いのに対して、日本では1988年ソウルオリンピック以降から多くの選手に栄養サポートが開始。同時にスポーツ医・科学研究が行われたため、まだ歴史浅いのが現状です。

 

2.栄養管理、運動だけでは解消されない不調は環境予防医学の観点へ

暴食、睡眠不足、運動不足などの生活習慣の乱れや対人などの精神的ストレス、化学化合物。

環境汚染物質、電磁波、寒暖差などの気候、自然環境の変化への適応力不足などの外的環境要因が人の健康に与える影響であり身体への不調に繋がります。

人の外的環境とは、体外の環境下を指し一般生活の室内および室外環境であり、労働者の職場環境です。

現代の体調管理の支点は人の個体差による健康影響の違い、生活質である環境衛生、職業習性、生活習慣に関して総合的に得られた知見をもとに分子遺伝学的アプローチを駆使し、一人ひとりと向きあい対処する必要性があります。

 

 

3.身体の不調に単発的な対処法より外せる負荷が何か探す

身体の不調は体外環境ストレスにより自律神経の交感神経が入ることで血流ポンプを担う筋肉が緊張し体液循環や代謝に影響します。

栄養、ホルモンの供給を乱し老廃物を停滞させ疲労蓄積。

身体は危機感から血流が高まり呼吸が浅くなることで胃腸の機能は下がりその痛みが経路から皮膚表面に伝わりコリになります。

 

日本では傷病になってからの対処療法が主体的ですが、体の不調はあくまで信号であり痛みのある個所が患部とは限りません。

故に傷みが出た個所への単発的な対処では、根本的要因の対処に至らないのが現状です。

大事なことは外せる負荷(ストレス)を考えること。

今の身体の状態を総合的に評価することで、あなたが目標とすることを達成する為の有効的手段としての体調管理指針を図ることが大切です。

プロアスリートの体調管理術とは

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